山口蓬春記念館

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山口蓬春記念館 令和6年度 新春特別展

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令和6年度 山口蓬春記念館 新春特別展

大佛次郎と山口蓬春
―時代を拓いた小説家・画家

令和7年2月1日(土)~3月30日(日)

日本画家・山口蓬春(やまぐち・ほうしゅん、1893-1971)は大正・昭和という激動の時代を新しい日本画を目指して活躍した画家です。日本の古典ともいえるやまと絵の精神を、現代の教養と批判によって新たにし、時代の要請に対して常に鋭敏に反応して近代的な感覚で洗練された清新な絵画を創り出しました。 小説家・大佛次郎(おさらぎ・じろう、1897-1973)は大正13年(1924)に発表した『鞍馬天狗』が人気を集め、その後時代小説、現代小説、ノンフィクション、童話など多岐にわたって活躍しました。昭和42年(1967)からは大佛が渾身の力を込め、動乱の維新期を描いた史伝の傑作『天皇の世紀』の連載を開始、6年間で全1555回となる長編小説となりました。

img220927-01.jpg「パリ燃ゆ」執筆の頃の大佛次郎
昭和39年(1964)
img220927-01.jpg国立教育会館緞帳原画《杜》を制作する山口蓬春
昭和39年(1964)

当時の画壇を代表する9名の画家の一人として蓬春が手掛けた『天皇の世紀』の装画は、すべて良好な状態で現存しています。本展覧会では、蓬春によるそれらの装画を大佛次郎の文章とともに公開、あわせて、一般には知られていない蓬春筆の『鞍馬天狗』の単行本口絵「小鳥を飼ふ武士」(昭和26年)を当館で初めて展示いたします。

画家と小説家、それぞれの生きる世界は異なりますが、その素顔や、歴史を鑑みながら未来を切り開く先進的な姿勢に共通した点を見出すことができます。小説と絵画による共同作業の結晶をご覧いただくとともに、横浜市の大佛次郎記念館のご協力を得て、大佛次郎旧蔵の美術品や交流のあった美術家による作品を展示いたします。同時期に開催される大佛次郎記念館テーマ展「大佛次郎と山口蓬春―作家と画家、重なるまなざし」とともに、どうぞお楽しみください。

本展の
みどころ
  1. 蓬春が描いた『天皇の世紀』装画を展示します
    大佛次郎の長編小説『天皇の世紀』のために、蓬春が時代考証に基づいて制作した《天皇の世紀》装画を大佛次郎の自筆原稿とともに展示。あわせて蓬春による明治時代への想いを「画家の言葉」として紹介します。
  2. 大佛次郎記念館所蔵の美術品を展示
    山口蓬春が口絵を担当した大佛次郎『鞍馬天狗』画帖(昭和26年、所蔵館以外では初公開)をはじめ、長谷川路可、木村荘八、岩田藤七など、蓬春・大佛ともに交流のあった美術家の作品を展示。大佛・蓬春ともに愛した尾形光琳の作品も展示。
  3. 愛猫、そして愛犬
    生涯で五百匹以上の猫と暮らしたという大佛次郎。いっぽう山口家では愛犬を家族さながらに大切に育てたと言われます。作家と画家、それぞれが愛し共に暮らした小動物が猫と犬に分かれることにも興味が惹かれます。蓬春による愛犬の写生と、大佛が自らスケッチした愛猫の姿をご覧ください。

主な展示作品

img220927-01.jpg山口蓬春《皇大神宮》(『天皇の世紀』装画)
昭和42年(1967)
神奈川県立近代美術館 山口蓬春文庫蔵
[前期のみ]
img220927-01.jpg山口蓬春《凌雲閣》(『天皇の世紀』装画)
昭和42年(1967)
神奈川県立近代美術館 山口蓬春文庫蔵
[後期のみ]
img220927-01.jpg山口蓬春《小鳥を飼ふ武士》『鞍馬天狗画帖』より
昭和26年(1951)
大佛次郎記念館蔵
[前期のみ]
img220927-01.jpg長谷川路可《濱風》〈冬〉
昭和4年(1929) 第9回新興大和絵会出品作
大佛次郎記念館蔵
[後期のみ]
img220927-01.jpg山口蓬春《武陵桃源》
昭和2年(1927) 第7回新興大和絵会出品作
[前期のみ]
img220927-01.jpg山口蓬春《都波喜》
昭和26年(1952)頃
img220927-01.jpg尾形光琳《飛鴨図》
江戸時代、18世紀
[前期のみ]
img220927-01.jpg《双猫図》
中国・明時代(17世紀)
img220927-01.jpg岩田藤七 《水色水指》
制作年不詳
大佛次郎記念館蔵
img220927-01.jpg山口蓬春撮影「春子夫人」写真 
昭和13年(1938) 
img220927-01.jpg大佛次郎撮影「酉子夫人」写真
昭和9年(1934)
大佛次郎記念館蔵
img220927-01.jpg山口蓬春《清秋》
昭和43年(1968) 和光美術展出品作
個人蔵

所蔵先の記載の無い作品はすべて山口蓬春記念館蔵です。

展覧会のご利用案内

会期:
令和7年(2025)2月1日(土)~3月30日(日)
前期:2月1日(土)~3月2日(日)
後期:3月4日(火)~3月30日(日)

※会期中に一部展示替えを予定しております。
※展示作品は都合により一部変更することがあります。
※展覧会開催状況等が変更となる場合がございますので、詳しくは当館ホームページ等でご確認ください。
開館時間:
午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
休館日:
毎週月曜日(2月24日は除く)、2月25日(火)
入館料:
一般 600円 高校生以下は無料
団体割引 100円割引 20名以上の団体で一週間前までに予約した場合
障がい者割引 100円割引 同伴者1名を含む
連携館割引 100円割引 当日観覧券のみ
※連携館 葉山しおさい公園・博物館(大人券のみ)
    神奈川県立近代美術館 葉山(企画展の一般券・学生券のみ)
年間入館券 1,800円 ※当館展覧会を何度でもご覧いただけるお得な年間入館券1,800円
(発行月から翌年の同月末日まで有効)を発売中)
主催:
山口蓬春記念館・公益財団法人JR東海文化財団
協力:
大佛次郎記念館
後援:
神奈川県教育委員会、葉山町教育委員会

展覧会チラシ

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関連イベントのご案内

展示解説

内 容  展示の見どころを学芸員が解説します。
日 時  2月11日(火)、16日(日)、24日(月) 3月2日(日)、7日(金)、14日(金)、
      20日(木・祝)、30日(日) 13:30~(約30分)
定 員  先着10名程度
集 合  開始時間までに入館手続きをお済ませの上、受付前にお越しください。

大佛次郎記念館とのコラボイベント①
「画家と作家の記念館めぐり」スタンプラリー

1月21日(火)~4月20日(日)の期間にスタンプラリーを開催。スタンプ台紙を持参すると、2館目の入館料が割引(山口蓬春記念館100円引き/大佛次郎記念館50円引き)となります。
スタンプが揃ったらオリジナルポストカードセット(先着順)をプレゼント(台紙1枚につき1名まで)

大佛次郎記念館とのコラボイベント②
「大佛次郎記念館研究室職員によるレクチャー」

講 師  大佛次郎記念館研究室職員 金城瑠以
日 時  2月9日(日)14:00~15:00
定 員  先着20名
場 所  山口蓬春記念館 別館多目的室
参加費  無料(当日の入館券は別途必要)

大佛次郎記念館とのコラボイベント③
「山口蓬春記念館学芸員が大佛記念館でレクチャー」

講 師  当館担当学芸員 笠 理砂
日 時  3月22日(日)14:00~15:00
定 員  先着25名
場 所  大佛次郎記念館 2階サロン
参加費  無料(当日の入館券は別途必要)

弥生の呈茶会

内 容  葉山茶道連盟の先生方のお点前で、季節のお菓子をお楽しみください(1席約20分)。
日 時  3月8日(土)・9日(日)
      第1席10:30~、第2席11:30~、第3席13:30~、第4席14:30~
場 所  山口蓬春記念館「桔梗の間」
費 用  1席1,000円(当日の入館券は別途必要)
定 員  1席6名
協 力  葉山町茶道連盟

高校生呈茶会

内 容  神奈川県立逗子葉山高校茶道部の皆様のお点前による呈茶会です (1席約20分)。
日 時  3月15日(土) 
      第1席10:30~、第2席11:30~、第3席13:00~、第4席14:00~、第5席15:00~
場 所  山口蓬春記念館「桔梗の間」
費 用  1席600円(当日の入館券は別途必要)
定 員  1席8名
協 力  神奈川県立逗子葉山高等学校茶道部

呈茶会はインターネットからのお申込みとなります。詳しくはJR東海文化財団ホームページをご参照ください(募集開始日:1月20日)。

※イベント等は中止になる場合があります。最新情報は当館ホームページ・SNSをご覧いただくか、
 お電話にてお問合せください。

同時開催 大佛次郎記念館「大佛次郎と山口蓬春 ―作家と画家、重なるまなざし」

2025年1月21日(火)~4月20日(日)