山口蓬春記念館

山口蓬春記念館

  1. Instagram
  2. X
  3. Facebook
  4. JR東海文化財団
  5. Language

秋季特別展 山口蓬春と皇室―現代へ続く蓬春レガシーの系譜―

この展覧会は終了しました。

山口蓬春記念館 令和4年度 秋季特別展

山口蓬春と皇室―現代へ続く蓬春レガシーの系譜―

2022年10月1日(土)~11月27日(日)

昭和という新たな時代の幕開けを待つかのように、若くして時代の寵児となり、時を経て日本画壇を牽引する立場となった山口蓬春(1893-1971)は、皇室との関わりも多かったといえます。

昭和3年(1928)には、皇太子のご成婚奉祝の献上品である《現代風俗絵巻》や昭和天皇の即位を奉祝して制作された画稿《昭和御大典繪巻》を師・松岡映丘(1881-1938)らとともに制作しています。

戦後、葉山へ転居した蓬春は、元侍従長・入江相政(1905-1985)と懇意にしていたこともあり、葉山の御用邸に赴いて、香淳皇后(1903-2000)と絵の話をすることもありました。また、香淳皇后が御絵を制作される時に使用された揮毫机や椅子などは、蓬春自身の考案によって製作され、使用していたものが入江元侍従長の目に留まり、同様のものが作られたというエピソードもあります。そして、宮内庁から皇居宮殿造営にあたり、正殿松の間杉戸制作の依頼を受けた蓬春は、昭和43年(1968)、おおよそ4年の歳月を費やして《楓》を完成させます。

そのような蓬春の周囲には、いつしかその人柄や才能を慕い若い画家たちが集まってきました。例えば、平成の大嘗会の屛風を制作した東山魁夷(1908-1999)と髙山辰雄(1912-2007)は、蓬春とともに旅行をするなどプライベートでも懇親を深めていました。また、令和の大嘗会の屛風を制作した土屋禮一(1946-)は、蓬春の孫弟子にあたります。蓬春にとって若い画家と接することは、その才能を育てるとともに、芸術家としてお互いに切磋琢磨することで自身の目標である新日本画創造への意欲を高めていったといえるでしょう。そして、その姿は若い画家たちの大きな糧となり、蓬春の情熱とともに現代へと脈々と受け継がれています。

本展では、蓬春と皇室との関わりに焦点をあてるとともに、皇室との関わりを通じて育まれた次世代の画家たちの活躍も「蓬春レガシー」の一つとして捉え、現代に受け継がれた系譜とその意義を探ります。

本展の
みどころ
1. 香淳皇后と蓬春との交流が偲ばれる作品を当館初展示!
「新皇居皇后宮御居間用」に蓬春が描いた《秋意》や皇后の日本画制作の参考として献上した素描をご覧いただけます。
2. 教科書にも掲載された壁画《岩倉大使欧米派遣》の制作秘話をご紹介!
急逝した蔦谷龍岬に代わり、蓬春がいかにして短期間で壁画を完成させたのか、その秘密を本制作さながらの完成度で制作された下図を中心に様々な資料から解き明かします。
3. 蓬春レガシー継承の証、《昭和御大典繪巻》を再展示!
 蓬春監修のもと、主に映丘・蓬春門下らが《靖国神社御創立百年記念歴史画》を制作する際、蓬春は愛蔵のこの絵巻を参考として貸し出します。蓬春から次世代へ受け継がれたやまと絵の精神をご堪能ください。
4. 孫弟子・土屋禮一筆《令和度 主基地方風俗歌屛風》の小下絵・素描14点を一挙公開!
 本制作前の素描や小下絵だからこそわかる屛風制作の裏側とその魅力をご紹介します。
*土屋禮一氏は現在の新日春展会長を務めていますが、その前身の日春展は若い画家を育てるための公募展として昭和40年(1965)に設立、山口蓬春が発起人の一人となりました。新日春展では毎年「山口蓬春記念館賞」が授与されています。

主な展示作品

img220927-01.jpg
山口蓬春
《緑庭》
(第8回帝展)
 昭和2年(1927) 
山口蓬春記念館蔵
img220927-01.jpg
山口蓬春
《昭和御大典繪巻》
昭和3年(1928)
神奈川県立近代美術館
山口蓬春文庫蔵
[後期のみ]
img220927-01.jpg
山口蓬春
《聖徳記念絵画館壁画下図
岩倉大使欧米派遣》
昭和9年(1934)
明治神宮蔵
img220927-01.jpg
山口蓬春
《花菖蒲 素描》
昭和20年代(1945~54)
宮内庁三の丸尚蔵館蔵
[前期のみ]
img220927-01.jpg
山口蓬春
《菊 素描》
昭和20~30年代(1945~64)
宮内庁三の丸尚蔵館蔵
[前期のみ]
img220927-01.jpg
山口蓬春
《秋意》
昭和37年(1962)
宮内庁三の丸尚蔵館蔵
[後期のみ]
img220927-01.jpg
髙山辰雄
《里の道》
平成6年(1994)
個人蔵
img220927-01.jpgimg220927-01.jpg
土屋禮一
《令和度 主基地方風俗歌屛風 小下絵》
令和元年(2019)
作家蔵
img220927-01.jpg
東山魁夷
《「朝明けの潮」のための中下図1/6》
(宮殿長和殿波の間壁画)
昭和43年(1968)
東京国立近代美術館蔵

展覧会のご利用案内

会期:
令和4年(2022)10月1日(土)~11月27日(日)
前期:10月1日(土)~30日(日) 
後期:11月1日(火)~11月27日(日)
※会期中に一部展示替えを予定しております。
※展示作品は都合により一部変更することがあります。
※今後のコロナ禍の状況により、展覧会開催状況等が変更となる場合がございますので、詳しくは当館ホームページ等でご確認ください。
開館時間:
午前9時30分~午後3時30分(入館は午後3時まで)
休館日:
毎週月曜日(10月10日は除く)、10月11日(火)
入館料:
一般 600円 高校生以下は無料
団体割引 100円割引 20名以上の団体で一週間前までに予約した場合
障がい者割引 100円割引 同伴者1名を含む
連携館割引 100円割引 ※連携館 葉山しおさい公園・博物館(大人券のみ)
    神奈川県立近代美術館 葉山(企画展の一般券・学生券のみ)
年間入館券 1,800円 ※当館展覧会を何度でもご覧いただけるお得な年間入館券1,800円
(発行月から翌年の同月末日まで有効)を発売中)
主催:
山口蓬春記念館・公益財団法人 JR東海生涯学習財団
後援:
神奈川県教育委員会、葉山町教育委員会

展覧会チラシ

A4_omote_210203.png

関連イベントのご案内

展示解説

内 容  展示の見どころを学芸員が解説します。
日 時  10月8日(土)、11月3日(木・祝) 13:30~(約20分)
参加費  無料(当日の入館券は別途必要)
定 員  先着5名
集 合  開始時間までに入館手続きをお済ませの上、受付前にご集合ください。

山口蓬春生誕日

内 容  山口蓬春の生誕を記念して来館者全員にオリジナルグッズを差し上げます。
日 時  10月15日(土)

第60回 葉山特別見学会

内 容  葉山町にある美術館・博物館を学芸員の解説付きで見学します。
日 時  11月17日(木) 9:30~14:30
場 所  葉山しおさい博物館・山口蓬春記念館・神奈川県立近代美術館 葉山
参加費  無料
定 員  30名(応募者多数の場合は抽選)
締 切  11月7日(月)
申 込  はがき又はFAXに住所、氏名(ふりがな)、年代、電話番号、イベント名を明記の上、お申込みください。

初冬の呈茶会

内 容  山口邸の佇まいとともに抹茶と季節のお菓子をお楽しみください(学芸員の解説付、1席約20分)。
日 時  11月5日(土)、6日(日)
     第1席 10:00~、第2席 11:00~、第3席 13:00~、第4席 14:00~
場 所  山口蓬春記念館「桔梗の間」
参加費  1席600円(当日の入館券は別途必要)
定 員  1席5名
協 力  葉山町茶道連盟
申 込  2日前までに電話で氏名、希望日、人数をご予約ください。

※イベント等は中止になる場合があります。最新情報は当館ホームページ・SNS等をご覧いただくか、お電話にてお問合せください。