山口蓬春(1893-1971)は、東京美術学校日本画科に学び、やまと絵の近代化を目指してその技法を基盤とした日本画の世界を展開します。その間、蓬春が手掛けたやまと絵のジャンルは、日本の古典文学、有職故実をふまえた人物画、歴史画、そして伝統的な名所絵にとらわれない風景画など多岐にわたっています。

この度、初公開となる《昭和御大典繪巻》（昭和3年、神奈川県立近代美術館 山口蓬春文庫蔵）は、蓬春をはじめ当時のやまと絵の名手たちが昭和天皇の「即位の礼」を描いたもので、やまと絵の魅力がふんだんに盛り込まれた一級品です。

本展では大正末から昭和初期に制作された若き蓬春の、澄みわたり穏やかで清新な画風をご紹介いたします。そして、さらにやまと絵に通じる四季というテーマをとおして、蓬春が生涯をかけて追求した新日本画の世界を感じていただけます。

併せて、蓬春コレクションからは日本中世以降、やまと絵の伝統を担った土佐派の筆による《十二ヶ月風俗図》（重要文化財）をご覧いただきます。

主な展示作品

山口蓬春ほか 《昭和御大典繪巻》 昭和3年(1928) 神奈川県立近代美術館 山口蓬春文庫蔵 〈巻き替えあり〉

山口蓬春 《木場》 大正14年(1925) 新興大和絵会同人合作 ｢東都近郊十二景｣のうち	山口蓬春 《緑庭》 昭和2年(1927) 山口蓬春記念館蔵 〈後期のみ〉
山口蓬春 《仲麿》(右)《菅公》(左) 昭和4-5年(1929-30) 一般財団法人野間文化財団蔵 〈前期のみ〉	山口蓬春 《西行》(右)《芭蕉》(左) 昭和4-5年(1929-30) 一般財団法人野間文化財団蔵 〈後期のみ〉
松岡映丘 《人麿》 昭和7年(1932) 一般財団法人野間文化財団蔵 〈後期のみ〉	山口蓬春 《新冬》 昭和37年(1962) 山口蓬春記念館蔵

展覧会のご利用案内

展覧会チラシ

関連イベントのご案内

展示解説

内 容  展示の見どころを本展担当学芸員が解説します。
日 時  平成30年10月8日（月・祝）　11:00～（約20分）
     ※都合により開催できない場合もありますのでご了承ください。
定 員  先着15名
集 合  開始時間までに受付をお済ませの上、受付前にご集合ください。

邸園ツアー

内 容  旧山口蓬春邸当時の庭園の様子や吉田五十八設計によるアトリエなどについて学芸員による
     解説付きでご案内します。普段と一味違う山口蓬春記念館をご堪能ください。
     ※雨天の場合は、集合場所が変更になる場合ありますので受付にてご確認ください。
日 時  平成30年11月3日（土・祝）11:00～11：40
参加費  無料（但し、当日の入館料は別途必要）
定 員  先着15名
申 込  開始10分前までに入館料をお支払いの上、正門前にご集合ください。

第54回 葉山特別見学会

葉山町にある美術館・博物館を学芸員の解説付きで見学します。
日 時  平成30年11月16日(金)　9:30～14:30
場 所  葉山しおさい博物館・山口蓬春記念館・神奈川県立近代美術館 葉山
参加費  無料
定 員  30名（応募者多数の場合は抽選）
締 切  平成30年11月2日(金)
申 込  はがき又はFAXに住所、氏名(ふりがな)、性別、年代、イベント名を明記の上、お申込みください。