この展覧会は終了しました。
山口蓬春記念館 平成24年度 秋季展
伝統の美のかたち
-素材と形態からみる山口蓬春の作品とそのコレクション-
2012年8月14日(火)~10月21日(日)
この展覧会は終了しました。
今日、日本画と呼ばれる絵画の歴史は古く、千数百年前に中国大陸や朝鮮半島などを経由して日本にもたらされました。日本画で用いる主要な絵具は、岩絵具という天然の鉱石を粉末状に砕いた顔料に膠(にかわ)を混ぜたもので、その色彩の美しさは日本画の特色の一つにあげられます。現在でも東アジア諸国、シルクロードの要衝の地には、日本画の源流である絵画が伝存していますが、この絵画技法を今日まで継承しているのはわが国の日本画のみであり、世界的にみても貴重な絵画といえます。
また、絵画技法とともに表装の技術も伝来し、日本において独自の発展を遂げました。表装とは、書画を鑑賞や保存のために、掛軸、巻子、屛風、帖、額などに仕立てることをいい、一般には日本・東洋の伝統的な作品に対して行われます。
画家である蓬春は、風雅の道を楽しむ文人墨客ともいえました。文人が書画のみならずそれらを描く机辺の道具にもその思想を反映していたように、蓬春も自らの制作に関わる画材や道具についてこだわりをもって収集し、愛玩していました。また、若いころから表装について関心をもっていた蓬春は、自身の作品の表装にはその好みを投影し、またコレクションについては、表具との取り合わせの妙を楽しんでいたと考えられます。
本展では、当館所蔵の蓬春作品および重要美術品2点を含むコレクションの数々を通じて蓬春の美意識を探るとともに、伝統的な絵画における画材や表装に着目し、「素材」と「形態」という新たなアプローチによって、その特質と魅力を再確認しようとするものです。
後柏原天皇 《宸翰 歳中立春》 室町時代・永正6年(1509) 紙本墨書/軸装 重要美術品
後柏原天皇 《宸翰 歳中立春》 室町時代・永正6年(1509) 紙本墨書/軸装 重要美術品 |
伝雪舟等楊 《円窓 白菊芙蓉図》 室町時代(15世紀) 紙本着色/軸装 [前期のみ]
伝雪舟等楊 《円窓 白菊芙蓉図》 室町時代(15世紀) 紙本着色/軸装 [前期のみ] |
浦上玉堂 《層巒喬木》 中西耕石箱書 江戸時代(18-19世紀) 紙本墨画/軸装 [後期のみ]
浦上玉堂 《層巒喬木》 中西耕石箱書 江戸時代(18-19世紀) 紙本墨画/軸装 [後期のみ] |
伝金冬心 《夜梅図》 中国・清時代 紙本墨画/軸装 [後期のみ]
伝金冬心 《夜梅図》 中国・清時代 紙本墨画/軸装 [後期のみ] |
山口蓬春 《奈良・薬師寺吉祥天像 模写》 制作年不詳 紙本着色/軸装 [後期のみ]
山口蓬春 《奈良・薬師寺吉祥天像 模写》 制作年不詳 紙本着色/軸装 [後期のみ]
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《稱讃浄土佛攝受経》 天和3年(1683) 紙本墨書/巻子 重要美術品
《稱讃浄土佛攝受経》 天和3年(1683) 紙本墨書/巻子 重要美術品
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菱田春草 《櫻草図屛風》 明治時代 金地着色/六曲一双屛風 [前期のみ]
菱田春草 《櫻草図屛風》 明治時代 金地着色/六曲一双屛風 [前期のみ]
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山口蓬春 《扇面流し》 昭和5年(1930) 紙本着色/二曲一隻屛風 [前期のみ]
山口蓬春 《扇面流し》 昭和5年(1930) 紙本着色/二曲一隻屛風 [前期のみ]
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《双猫図》 中国・明時代(14-17世紀)
《双猫図》 中国・明時代(14-17世紀)
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山口蓬春 《静物(遼三彩鉢と果物)》 昭和31年(1956) 紙本着色/額装
山口蓬春 《静物(遼三彩鉢と果物)》 昭和31年(1956) 紙本着色/額装
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山口蓬春 《新冬》 昭和37年(1972) 紙本着色/額装
山口蓬春 《新冬》 昭和37年(1972) 紙本着色/額装
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《五彩龍文筆皿》 「大明萬暦年製」銘 中国・景徳鎮窯 明時代・万暦年間 (1573-1620) 磁器
《五彩龍文筆皿》 「大明萬暦年製」銘 中国・景徳鎮窯 明時代・万暦年間 (1573-1620) 磁器
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《青花透彫蓮花文筆筒》 朝鮮時代(19世紀) 磁器
《青花透彫蓮花文筆筒》 朝鮮時代(19世紀) 磁器
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富岡鉄斎 《富嶽図》 大正4年(1915)頃 紙本着色扇子
富岡鉄斎 《富嶽図》 大正4年(1915)頃 紙本着色扇子
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