山口蓬春記念館 平成28年度 秋季収蔵品展
山口蓬春が慈しんだ仏の和と美
2016年8月16日(火)~10月16日(日)
この展覧会は終了しました。
その生涯を洗練された独自の時代感覚を打ち立て、新日本画の創造に懸けた山口蓬春(1893-1971)。やまと絵や琳派、中国宋元画から西洋近代絵画まで幅広く研究し独自の画風を確立、その多くの業績から昭和40年に文化勲章を受章しました。当館では蓬春の作品や、新日本画の更なる研鑽のために蒐集した美術品を展示公開しております。その内容からは各時代の優れた作品を見て感じ取ることが出来ます。かれは著書のなかで「日本画の古典に対しては、常に進んで研究的に再吟味を重ね、正しく再認識する努力を怠ってはならない。日本画の古典的なものを、充分に研究しなければ、結局は新しい感性の働きで、正しく新しい素材を見出す事は出来ない。」(『新日本画の技法』昭和26年 美術出版社)と述べており、古名画の類を研究することの重要性を説いています。
本展覧会では、蓬春の作品はもとより、新芸術創造の糧となった蒐集品の中から、とくに仏画に焦点をあてます。蓬春は多岐に亘る画業のなかで格調高い花鳥画や静物画を多く描いていますが、仏画の類も多数模写を行い、また蒐集もしていました。それら知られざる名画の数々を紹介するとともに、古典研究の軌跡を探りながら、時代を超越した仏画の魅力とその美について迫ります。
主な展示作品
《騎獅文殊尊像》鎌倉時代(12-14世紀) [後期のみ] |
《吉祥天像》鎌倉時代(12-14世紀) [前期のみ] |
《来迎図》室町時代(14-16世紀) [後期のみ] |
住吉具慶《寒山拾得図》江戸時代(17-18世紀) |
北沢楽天 「三熊野の那智の御山で 願が叶った山口蓬春氏」 『時事漫画』「帝展号」287号(原画) 大正15年(1926)10月31日 |
山口蓬春《観自在》大正12-13年(1923-24) |
山口蓬春《飛天》 昭和5-6年(1930-31) |
山口蓬春《静物(遼三彩鉢と果物)》 昭和31年(1956) |
山口蓬春《菊 写生》 昭和20年(1945) |