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新春特別展
「山口蓬春と古陶磁―日本画家が愛した静謐な美の世界―」
開催期間:2008年1月9日~3月23日
この展覧会は終了しました。

このたび山口蓬春記念館では特別展「山口蓬春と古陶磁―日本画家が愛した静謐な美の世界―」を開催いたします。
山口蓬春(1893~1971)は、東京美術学校日本画科を卒業後、伝統的な技法を基盤としつつ古今東西の芸術を吸収し、戦後は時代感覚を意識した独自の世界を創り出しました。戦後の創作拠点となった葉山の新画室にはガラスの飾り棚が備え付けられ、蓬春が戦前より蒐集し愛蔵していた古陶磁が飾られました。季節や来客によってそれらは飾り替えられ、画室を訪れる人々の眼を愉しませたといいます。
蓬春は美術学校を卒業した大正末頃より中国陶磁への関心を深め、昭和初期には平壌への旅行をきっかけに朝鮮の古陶磁のもつ魅力に目覚めます。昭和29年頃からは静物画のモティーフに唐三彩の俑や景徳鎮の瓶、ペルシアの皿などの様々な陶磁を取り上げてゆきます。そして晩年に至るまで、静物画を通じて古陶磁に内在する美を追求していったのです。
本展ではこれらの絵画作品とモティーフとなった陶磁器を併せて展示し、日本画家として、そして美術コレクターとしての蓬春の足跡を辿ります。
初冬特別展
「山口蓬春と鏑木清方―近代日本画にみる風趣―」
期間:2007年10月20日~12月24日
この展覧会は終了しました。

このたび山口蓬春記念館では特別展「山口蓬春と鏑木清方―近代日本画にみる風趣―」を開催いたします。
日本画家・山口蓬春(1893~1971)の初期の画業に、第7回帝展に出品した《三熊野の那智の御山》(大正15年)が特選、帝国美術院賞受賞とともに皇室買い上げとなり華々しい画壇デビューを飾ったことが知られています。この際、審査員として強く蓬春を推薦したのが鏑木清方(1878~1972)でした。蓬春は東京美術学校日本画科在籍中より松岡映丘(1881~1938)の指導のもと日本画家としての道を歩んでいましたが、師の早逝に伴い、映丘と並び文展の中堅作家として活動を共にしていた清方が、映丘に代わって精神的な支持を与えていったと考えられます。蓬春もまた清方を敬慕し、その支援に応えるようにして画家として、そして人間として成長を遂げていきました。
本展では、清方の繊細な筆遣いを伝える絵画作品や下絵、素描、工芸品とあわせ、蓬春のやまと絵研究の跡を偲ぶことができる初期の作品を展示し、二人の交流を軸に、近代の日本画に息づく風趣をご鑑賞いただきます。 



秋季展
「山口蓬春と模写―古典・伝統への関心―」
期間:2007年8月15日~10月14日
この展覧会は終了しました。

このたび、山口蓬春記念館では、企画展「山口蓬春と模写-古典・伝統への関心-」を開催いたします。
当記念館には山口家から提供を受けた山口蓬春(1893-1971)の作品や美術品が多数収蔵されていますが、その中には蓬春の手による模写も約50点含まれています。蓬春は、大正4年に東京美術学校西洋画科に入学しますが、日本画科に転じここで授業の一環として模写を制作しています。また師となる松岡映丘に出会い、卒業後は映丘が主宰する新興大和絵会の同人として、日本の伝統的なやまと絵の技法を学ぶこととなります。このように古典に接する機会が学生時代から数多くあり、当記念館に残されている模写からは、蓬春が伝統的な日本画技法を学びとろうと日々励んでいたことが窺えます。模写について蓬春は、著書『新日本画の技法』の中で「自分では、新しい素材を見つけたと思い込み、また新しい解釈をしたと思っても、実はそれは既に日本画の古典的な作品の中に、立派に取り上げられ解決されて居る場合が度々ある。そういう事では、単に狭い見解内での自己満足に過ぎない事になる。それでは、如何に技術の勉強をしても、ほんとうに新しい日本画を創造する事は出来ない事になる。だから、古典や伝統に関する勉強は、極めて重要である。」と述べています。古典研究に励んだ成果が、後の蓬春作品に生かされていったのです。
本展覧会では、当記念館が所蔵する貴重な蓬春の学生時代の模写などを展示するとともに、あわせて蓬春の本画及び蓬春コレクションより陶磁器などもご紹介いたします。
夏季展
「山口蓬春と文人趣味―蓬春コレクションにみる風雅への憧れ―」
開催期間:2007年6月7日~8月5日
この展覧会は終了しました。

このたび、山口蓬春記念館では「山口蓬春と文人趣味―蓬春コレクションにみる風雅への憧れ―」を開催いたします。
日本画家・山口蓬春(1893-1971)は東京美術学校日本画科を卒業後、昭和5年に「六潮会」を結成しました。六潮会は、日本画の山口蓬春・福田平八郎・中村岳陵、洋画の木村荘八・牧野虎雄・中川紀元、美術評論の外狩素心庵・横川毅一郎を同人として結成された団体で、昭和15年まで展覧会、研究会等を開き、同人たちにとって有益な研鑽の場となりました。流派を超えた作家同士の交流を示す巻子の寄書きには、酒を酌み交わし清談する「文人」たちの姿を垣間見ることができます。
また蓬春はこの頃から、日本画壇の第一線で活躍する傍ら古美術の収集を行い、その審美眼によって選ばれた古画・古陶磁・書跡など200点余りが当館に収蔵されています。
本展では山口蓬春による季節の掛軸をはじめ、蓬春コレクションの書画や蓬春が身近において愛玩した文房具・墨・硯・花入・徳利・杯などをご覧頂き、蓬春と同世代の作家との交流にみる「粋」や蓬春コレクションに込められた風雅なるかたちをご紹介いたします。
春季展
「色・いろ・イロ~蓬春作品とコレクションに観る日本の色」
開催期間:2007年3月29日~6月3日
この展覧会は終了しました。

山口蓬春記念館では、企画展「色・いろ・イロ~蓬春作品とコレクションに観る日本の色」を開催いたします。
山口蓬春(1893-1971)は、東京美術学校西洋画科に入学するも日本画科に転科し、以後、伝統的な技法を基盤としつつ、常に時代感覚を意識した新日本画の世界を創造していきました。特にその色彩表現においては独自の世界を構築したともいえ、「色彩画家」、「カラーリスト」とも形容されました。また、蓬春の著書『新日本画の技法』[昭和26年(1951)]では、自身の日本画に対する考え方を顕著に表していますが、そのなかでも色彩や絵具については多くの頁を割いており、"色"に対する強い探究心を窺い知ることができます。そして蓬春の"色"とは色価(ヴァルール)の研究はもちろんのこと、古くから日本の伝統的な絵画(日本画)に用いられてきた岩絵具の美しさを最大限にまで活かした結果であるともいえます。
岩絵具は、原料となる岩石や鉱物等を粉砕して作られる細かい粒子状の絵具です。もともと天然に得られる色の数は決して多くはありませんが、同じ原石であってもそれぞれの産出地や自然環境によってその色彩は微妙に異なり、また、同一の原石から作られた絵具でも粒子の大きさによって明るさや色あいが異なります。そのため、扱い方によっては豊富なバリエーションが生まれ、画家それぞれの個性が際だつ画材ともいえるのです。
本展覧会では、岩絵具の"色"をテーマに、蓬春作品と残された画材類をご覧いただきながら蓬春絵画を特徴づける色彩表現を探ります。また蓬春コレクションや当館所蔵作品についても合わせてご紹介することで蓬春作品とそれを取り巻く美術品の"色"によるコラボレーションをお楽しみいただければ幸いです。



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