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新春特別展
「山口蓬春コレクション展―蓬春が愛した東洋の美―」
開催期間:2007年1月7日~3月25日
この展覧会は終了しました。

この度、山口蓬春記念館では新春特別展「山口蓬春コレクション展―蓬春が愛した東洋の美―」を開催いたします。
山口蓬春(1893-1971)は、東京美術学校西洋画科に入学するも日本画科に転科し、以後、伝統的な技法を基盤としつつ、常に時代感覚を意識した新日本画の世界を創造していきました。
一方で古美術品の収集家としても知られ、文化財専門審議会の専門委員(昭和34-43年)を務めていた蓬春は、《十二ヶ月風俗図》(重要文化財)や《宸翰 歳中立春》(重要美術品)《稱讃浄土佛攝受経》(重要美術品)をはじめ、古今東西にわたる数々の名品を収集していきました。それらは、時に画室などに飾られるなど愛(め)で慈しまれる存在であるだけではなく、蓬春の創作活動の原動力でもありました。
蓬春は著書『新日本画の技法』(昭和26年)のなかで以下のように述べています。

新日本画の創造には―――
「日本芸術の昇華としての古名画の類を機会あるごとに成るべく多く観ること」が大切であり、「更にその精神と芸術とを分析的に研究し」、「古典としての意義が何處に在るかを正しく理解すること」が必要である。そのためには「単に眼で観るだけでなく、進んでこれを正確に模写し、その技法の機微を体得して、自分のこれから進む新芸術創造の糧にしなければならないのである。」

本展では、蓬春愛蔵のコレクションのなかから日本、中国、朝鮮の絵画や陶磁器のほか、蓬春が自らの研鑽のために行った名画の模写なども合わせてご覧いただきます。それらを通して蓬春が目指した新日本画への軌跡の一端をご理解いただければ幸いです。 


山口蓬春記念館開館15周年記念初冬特別展
「葉山に開花した山口蓬春の芸術―友情に結ばれた画家と建築家―」 
開催期間:2006年10月21日~12月24日
この展覧会は終了しました。

このたび、山口蓬春記念館では開館15周年特別展「葉山に開花した山口蓬春の芸術―友情に結ばれた画家と建築家」を開催いたします。
山口蓬春(1893~1971)は、東京美術学校日本画科を卒業後、伝統的な技法を基盤としつつ古今東西の芸術を吸収し、戦後は時代感覚を意識した独自の世界を創り出しました。その制作の舞台となったのは、明るい陽光があふれる葉山御用邸近くの自宅兼アトリエでした。
昭和23年(1948)に当館の地に転居してきた蓬春は、葉山の風光に取材した作品にとり組むようになります。それらは何れも明るくモダンな表現に満ちており、葉山の自然を目の当たりにした蓬春の、純粋な感動と愛着を伺うことができます。
蓬春が還暦を迎えた昭和28年、待望の新画室が新築されます。戦前の祖師谷の画室につづいて、設計は同窓の吉田五十八によるものです。
二人は大正4年(1915)に東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、ともに他人より倍の在学期間を経て大正12年(1923)に卒業しました。五十八は、蓬春の自宅や画室を設計するだけでなく、自らが設計した建造物の内部に蓬春の作品を用いるなど、芸術を通じた交流を生涯にわたり続けていきました。二人の間には同時代を生きる芸術家として、同志として、建築と日本画という分野を超えた深い結びつきがありました。
本展では、建築家・吉田五十八と日本画家・山口蓬春の芸術を通じた交流に焦点をあて、葉山に開花した蓬春の清新であざやかな美の世界に触れていただければ幸いです。
また、隣接する神奈川県立近代美術館 葉山では、「山口蓬春」展が同時開催され、80点を超える蓬春の代表作をご覧いただけますので、あわせてご案内いたします。


秋季展
「山口蓬春と近代日本画壇―大正・昭和を彩った名匠たち―」
開催期間:2006年8月16日~10月15日
この展覧会は終了しました。

この度、山口蓬春記念館では秋季展「山口蓬春と近代日本画壇―大正・昭和を彩った名匠たち―」を開催いたします。当館には、平成2年に山口家より提供を受けた蓬春作品や蓬春が収集した美術品などが収蔵されておりますが、その中には蓬春と同時代に活躍した作家の作品も多く見受けられます。特に、福田平八郎・中村岳陵・木村荘八・牧野虎雄・中川紀元など、昭和5年に蓬春も結成に参加した「六潮会」の同人たちの作品や書簡など、多くの資料が残されており、その交流の深さが伺えます。また、戦前から帝展など中央の画壇で活躍し、昭和25年には日本芸術院会員に任命されるなど、生涯において常に画壇における重要な位置についていたことは、多くの著名な作家たちと知り合うことにもつながりました。
本展では、そのような近代の美術家たちの作品に焦点を当て、大正から昭和にかけての蓬春の多彩な交友を辿ろうとするものです。


夏季展
「山口蓬春素描展―描かれた花卉の美・風景の美―」
開催期間:2006年6月8日~8月6日
この展覧会は終了しました。

山口蓬春(1893~1971)は、東京美術学校西洋画科に入学するも日本画科に転科し、以後、戦前から戦後へと時代が激しく移り変わるなかで「新日本画の創造」をめざし邁進し続けました。近代的な感覚による新しい日本画の可能性を追究しながらも、その生涯を通じて貫かれていたのは、伝統や古典を重んじ、写生や技法の研究等、基礎的なことを大切にする心であったといえます。
日本画の制作では、その画材の性質上、まず対象を写生し、次に小下図、大下図を作り、それか ら本画制作へ入るという、何段階かの過程を経て絵づくりを進めていきます。特に、日本画における写生について蓬春は、「洋画のデッサンとは違い、寫生そのものが目的ではなく、完全なタブロウを作るための基礎工作である」「寫生は、作者の觀たまま感じたまま、知ったままを、そのまま殘らずそこへ描き込んだものでなければ、完全な寫生と言うことは出來ない。」(山口蓬春『新日本画の技法』昭和26年より)と語っています。つまり写生(素描)は、本画制作への出発点となり、その線や色彩は、画家が最初に対象を前にしたときの感動をそのまま伝えているといえます。素描には、本画の丁寧な仕上げの段階では隠れてしまう、あるがままの画家の姿がしばしば現わされているのです。
本展では、普段目にすることの少ない素描や下図約50点余りを出品いたします。それらに観られる「花卉の美・風景の美」を通じて蓬春芸術の真髄に触れていただく絶好の機会になるかと存じます。
春季特別展
山口蓬春をめぐるゆかりの作家たち ―日展をささえた清澄な美の世界―
開催期間:2006年4月1日~6月4日
この展覧会は終了しました。

このたび、山口蓬春記念館では春季特別展「山口蓬春をめぐるゆかりの作家たち―日展をささえた清澄な美の世界」を開催いたします。
山口蓬春(1893-1971)は東京美術学校日本画科を卒業後、大正から昭和にかけての新興大和絵運動の中心であった松岡映丘(1881-1938)に師事し、戦前期には日本画の古典を咀嚼した作風を残しています。一方で、西欧の美術の動向を逸早く取り入れ、戦後にはモダニズムの傾向を示す作品を発表、若い作家たちに大いに感化を与えました。
昭和25年に日本芸術院会員に任命された蓬春は、日展日本画部の指導者のひとりとして大きな存在となっていました。蓬春はその師である松岡映丘のように画塾をつくることはありませんでしたが、かれのもとには若い画家たちが集まり、蓬春一門のグループが形成され始めていました。蓬春はこれらの後進の画家たちに対して強い指導力を発揮し、戦後の日本画壇をリードしたのです。
本展では、蓬春が主唱した新日本画の創造の精神を受け継いで日展をささえてきたゆかりの作家たちの作品を集め、戦後の日本画壇にもたらした新しい潮流と清澄な美の世界を顕現します。
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