過去の展覧会2004の最近のブログ記事

新春特別展
蓬春の愛好した古典の世界ー重文・十二ヶ月風俗図を中心にー
開催期間:2005年1月7日~ 3月27日
この展覧会は終了しました。

大正7(1918)年、東京美術学校で日本画を学び始めた蓬春は、師・松岡映丘との出会いにより古典の真髄に触れるかけがえのない機会を得ます。映丘からの指導や映丘の主宰する新興大和絵会への参加によって、蓬春は王朝風俗や歴史人物を学習し、古典の教養を身につけていったのです。蓬春芸術の基礎は、その上に成り立っているといえましょう。
その後、蓬春はその確固たる鑑識眼をもって優れた美術品のコレクションを形成していき、その分野は古今東西と多岐にわたります。中でも、16世紀の土佐派による風俗画とされ、桃山時代の京都の生活をいきいきと伝える《十二ヶ月風俗図》(重要文化財)は、時代を超えて今もなお多くの人々を魅了してやみません。
今回の展覧会は、有職故実や王朝の栄華を描いた蓬春の作品をはじめ、自らが愛蔵した古典の優品の数々を一堂に会し紹介するものです。美術家・山口蓬春の審美眼をとおして集められた古典の世界に、しばし想いを馳せてみてはいかがでしょうか
初冬展
山口蓬春 東洋への旅
開催期間:2004年10月22日~ 12月23日
この展覧会は終了しました。

日本画家・山口蓬春は、昭和7(1932)年に初めての海外旅行で朝鮮の平壌などへ行き、その時の取材をもとに《市場》を描いています。それ以来、台湾、中国など東洋の各地へ出かけては多くの作品を残しています。昭和15(1940)年の紀元二千六百年奉祝美術展覧会に出品された《南嶋薄暮》は台湾南部で取材した作品であり、制作のために題材となった現地の先住民やコブのある珍しい牛などの多くの写真や素描が残されています。また、蓬春の作品には自らが収集した唐三彩をはじめとする陶器などを題材にしたものが多く、日本だけでなく東洋各地に蓬春の関心が向いていたことが窺い知れます。
今回の展示では、「旅」をテーマに蓬春が東洋へ旅し現地を取材して描いた作品や蓬春が収集した東洋にゆかりのある古美術品などに焦点をあてると同時に、戦時中の昭和20(1945)年に疎開した山形県東置賜郡赤湯町(現・南陽市)で写生した素描をも展示することといたします。
秋季特別展
楓と桜 ー新宮殿杉戸絵ー
開催期間:2004年9月18日~ 10月17日
この展覧会は終了しました。

普段見ることができない新宮殿杉戸絵を山種美術館所蔵の四分の一下絵によってご覧いただこうという企画です。山口蓬春《楓》と橋本明治《朝陽桜》をあわせて展示し、杉戸絵完成までの軌跡を辿ります。
夏季展 
六潮会という時代
開催期間:2004年5月27日~ 7月19日
この展覧会は終了しました。

このたび、山口蓬春記念館では夏季展「六潮会(りくちょうかい)という時代」を開催いたします。「六潮会」は昭和5年に日本画の山口蓬春・福田平八郎・中村岳陵、洋画の木村荘八・牧野虎雄・中川紀元、美術評論の外狩素心庵・横川毅一郎を同人として結成された団体で、昭和15年まで展覧会、研究会等を開き、同人たちにとって有益な研磨の場となりました。蓬春にとってもこの「六潮会」は、画家としての活動の主要な場となりました。蓬春は、昭和10年に「拘束性のある団体からすべて脱退する」旨の声明を発表して、帝国美術院展覧会参与を辞退し、また師松岡映丘を盟主とする国画院からも脱退しましたが、「六潮会」の活動は続けています。日本画、洋画、美術評論という異なったジャンルの人たちで結成されたこのユニークな団体は、日本画の新しい可能性を模索して行こうとする蓬春には大きな魅力があったのでしょう。
今回の展示は蓬春の六潮会時代(昭和5年~15年)の作品に焦点をあてるとともに、当館所蔵の六潮会同人たちの作品や書簡をも展示することといたします。
春季展
地域の芸術文化再発見 山口蓬春展ー葉山を愛した自然を愛した画家ー
開催期間:2004年4月16日~ 5月23日
この展覧会は終了しました。

日本画家山口蓬春は、昭和23年から亡くなる昭和46年までの23年間をこの葉山の地で過ごしました。戦後、新日本画の創造を求めてまい進しつづけた蓬春にとって葉山の豊かな自然は、心の慰めであり、イメージの源泉であったと思われます。
このたび、当館では、葉山町芸術祭の一環として、「地域の芸術文化再発見 山口蓬春展~葉山を愛し、自然を愛した画家~」を開催することとなりました。葉山町所蔵の作品7点を中心として展示を構成することといたします。
蓬春は、身近な自然に目を向け、そこに生きる草花や生き物たちを「花鳥画」という画題のなかで描いていきました。それらは、ある時は、正確な自然観照に基づいた写実性で、ある時は琳派風な装飾性で、またある時は宋元院体画を参考にした造型で、その時、その時の目的にあった描写で描いています。しかし、その根底にあるものは、常に自然に対する暖かい眼差しであるといえるでしょう。
花鳥画の、作品の優劣は、その作家の自然への愛の深さと、観察力の如何とのみが決定すると謂っていい」
『邦画 四月号』(昭和10年4月発行)で蓬春が語っているように、美は、自然のなかにこそあり、その美を発見することができるのは、自然に対する深い愛情に他ならないのです。
今回は、「花鳥画」を取り上げ、蓬春の本画や素描、模写を展示するとともに、蓬春コレクションからも花鳥画の名品を選んで展示することにより、伝統的な画題に敢えて取り組み、日本画の可能性を模索し続けた蓬春の画業を探っていきます。
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