2009年12月アーカイブ

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初冬特別展
山口蓬春と加藤栄三--葉山に育まれた友情--
開催期間:2009年10月10日〜12月23日
この展覧会は終了しました。

山口蓬春(1893-1971)は、大正12年に東京美術学校を卒業後、松岡映丘(1881-1938)率いる新興大和絵会に参加し、古典絵画の基礎を築きながらも西欧の近代絵画に強い関心を抱いていました。一方、加藤栄三(1906-1972)は、昭和6年に同校を卒業後、日本画に洋画的写実を導入した結城素明(1875-1957)に師事、昭和11年新文展鑑査展で《薄暮》が文部大臣賞を受賞するなど、衆望を担います。
戦後間もなく、日本画滅亡論が叫ばれていた時期、二人は現代の日本画のあり方を模索していました。また、それぞれ神奈川県葉山町に転居し、以後、二人の生涯にわたる友情が紡がれてゆきます。
昭和30年、第11回日展に栄三が出品した《石庭》や同じ石庭に調和のとれた構成美を見出した《月》(昭和32年)からは、抜群の素描力によって対象そのものの持つ美に迫ろうとするアプローチが見受けられます。
一方、その頃の蓬春は、《まり藻と花》(昭和30年)にみられるような写実表現を経て《新冬》(昭和37年)へと続く清澄で格調ある作風へと展開させるなど、新しい日本画の創造を探求してゆきます。
本展では、葉山を舞台に友情を育んだ山口蓬春と加藤栄三の作品を通じて、それぞれの美意識の在処を探ります。
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