2009年3月アーカイブ

hoshun_spring2_2008_flyer.jpg
新春特別展
山口蓬春と花鳥画の世界ーコレクションに見るその移りかわりー
開催期間:2009年1月7日〜3月22日
この展覧会は終了しました。

このたび、山口蓬春記念館では、新春特別展「山口蓬春と花鳥画の世界-コレクションに見るその移りかわり-」を開催いたします。
花鳥画は、人物画・山水画と並んで絵画の中でも主要なジャンルの一つとして位置づけられてきました。その成り立ちは中国の六朝時代から唐時代にかけて確立して以来、各時代において様々な発展を遂げ、日本では南北朝時代に中国の南宋絵画の影響を受け、禅僧が水墨によって花鳥画を描きました。室町時代には狩野派など幕府のお抱え絵師たちによって着色による花鳥画が制作され、桃山時代には金地と濃彩による豪華絢爛たる障屏画にも描かれています。江戸時代になると琳派や南画派・円山四条派が生まれ、浮世絵に描かれた花鳥画は庶民にも親しまれました。
そして近代に入っても西欧からの影響を受けながら、遠近法や明暗表現を取り入れた新時代にふさわしい花鳥画が生まれています。そのようななかで山口蓬春は、著書の中で「日本画の古典的なものを、充分に研究しなければ、結局は新しい感性の働きで、正しく新しい素材を見出す事は出来ない。自分では、新しい素材を見つけたと思い込み、また新しい解釈をしたと思っても、実はそれは既に日本画の古典的な作品の中に、立派に取り上げられ解決されて居る場合がしばしばある」(『新日本画の技法』、1951年)と述べ、新しい絵画の創造には古典絵画を学ぶことが不可欠であると説いています。
このように花や鳥・動物などを描く行為は太古の昔から現代まで続き、そしてその多くの作例は時代を越えて人々を魅了し、後世の作家たちの創作活動の手だてにもなっているのです。
本展覧会では、蓬春の本制作と蓬春が収集した美術品のなかから特に花鳥画に焦点をあてて、その移りゆく世界をご紹介するとともに、併せて重要文化財《十二ヶ月風俗図》を特別に出品し、古典絵画の魅力に迫ります。

Powered by Movable Type 4.261

このアーカイブについて

このページには、2009年3月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2008年12月です。

次のアーカイブは2009年6月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。